特例子会社でパワハラ地獄を経験した30代男性の告白

特例子会社で働いていた30代男性(東京都在住・事務職)から、衝撃的な体験談が寄せられました。
障害者に配慮されているはずの職場で起きた、想像を絶するパワハラの実態。
「給料泥棒」
「君みたいな人間はそばに来ただけで周りをイライラさせる」
毎日のように浴びせられた暴言の数々が、彼を自殺寸前まで追い詰めました。
今回は、その生々しい体験談をご紹介します。
この記事を読んでわかること
- 特例子会社でも起こる深刻なパワハラの実態
- 障害者への配慮が形骸化している職場の現実
- パワハラ被害者が退職に追い込まれる理不尽さ
同じような苦しみを抱えている方の参考になれば幸いです。
配慮されるはずの特例子会社で起きた信じられない暴言

障害者雇用の促進と安定を図るため、障害者の雇用において特別の配慮をする子会社のこと
障害があることを理解されない苦しみ
投稿者の男性(仮名:Aさん)は、都内の特例子会社で事務職として働いていました。
特例子会社とは、障害者の雇用に特別な配慮をし、一定の要件を満たした上で厚生労働大臣の認可を受けた子会社のこと。障害者雇用率の算定において、親会社の一事業所と見なされる特別な会社です。
本来なら、障害への理解と配慮がある職場のはずでした。
しかし、Aさんの職場は違いました。
「仕事をミスしたり、職場でコミュニケーショントラブルを起こすたびに、上司から罵倒や叱責を受けていた」
Aさんは記憶に障害があり、その場では理解したつもりでも時間が経つと忘れてしまう特性がありました。
「怒られたことが、その場では分かったつもりになるんですが、時間が経つとすぐに抜けてしまい、再度怒られた時に『あ、そうだった』と思い出せても、解放された後にすぐ忘れちゃう」
こういう病気を抱えているだけでも辛いのに、それを理解してもらえない。
特例子会社は一般的に、施設の改善や指導員の配置など、障害者が働きやすい環境が整備されているはずです。しかし、設備が整っていても、そこで働く人の意識が変わらなければ意味がありません。
「給料泥棒」という言葉で人格を否定された
ある日、いつものようにミスをしてしまったAさんに、上司は信じられない言葉を投げつけました。
「給料泥棒」
この言葉は、法的にも問題のある発言です。
過去の裁判例では、上司が部下に対して「給料泥棒」と発言したケースで、部下の人格を否定し、多大な屈辱感を与える不法行為として認定されています。
さらに上司の言葉はエスカレートしていきました。
「人を怒らせるのだけは得意」
「怒られるのが好きなの?」
みんなの前で嘲笑うように言われた屈辱。 Aさんは当時を振り返ります。
「病気で苦しんでいるのに、それを理由に人格を否定される。この苦しみは経験した人にしかわからないかもしれません」
「存在自体が迷惑」最悪の一言で心が壊れた瞬間

人間として存在を全否定された
パワハラが始まって数ヶ月後、ついにAさんの心を完全に打ち砕く言葉が飛び出しました。
「君みたいな人間はそばに来ただけで周りの人をイライラさせる存在や」
仕事ができないとか、ミスが多いとか、そういうレベルではありません。
存在そのものを否定されたのです。
パワハラの定義には3つの要素があります。
- 優越的な関係を背景とした言動
- 業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの
- 労働者の就業環境が害される
Aさんのケースは、明らかにこの3つすべてに該当します。特に人格を否定・侮辱するような言動は「精神的な攻撃」として、パワハラの典型例とされています。
電車でのトラブルがトドメに
精神的に追い詰められていたある日の帰宅時、電車内で見知らぬ人とトラブルになりました。
上司の言葉が頭にこびりついていたAさんは、こう思ってしまいました。
『やっぱり自分は、存在するだけで周りに迷惑をかける人間なんだ』
パワハラの恐ろしさは、被害者の自己肯定感を徹底的に破壊することです。日常のささいな出来事でさえ、「自分が悪い」と思い込んでしまうようになります。
自殺を考えるまでに追い詰められた
「自殺を考えた事もあります」
Aさんの告白は重いものでした。
仕事でも迷惑をかけ、電車でも迷惑をかけ、存在するだけで周りをイライラさせる。 そんな人間が生きている意味なんてあるのか。
「今でもフラッシュバックしているのでこういう職場がいち早く淘汰されていくことを強く願います」
パワハラによる精神的ダメージは、退職後も長く続きます。PTSD(心的外傷後ストレス障害)のような症状に苦しむ人も少なくありません。
会社も「やり過ぎた」と認めたのに退職に追い込まれた理不尽

形だけの謝罪、変わらない職場環境
Aさんの様子を心配した同僚が会社に相談したことで、調査が入りました。
流石の会社もその時は、『行き過ぎた』『やり過ぎた』と言ってくれました
業務上必要な範囲の注意・指導は認められますが、その範囲を超えた場合はパワハラとなります。注意・指導の場所、方法、内容、回数などによって判断されますが、Aさんのケースは明らかに限度を超えていました。
しかし、会社の対応は期待外れでした。
上司への処分は軽微なもの。職場の雰囲気は何も変わりませんでした。
多くの企業でパワハラ防止措置が義務化されていますが、形だけの対応で終わってしまうケースも少なくありません。
相談窓口を設置しても、実際に機能していなければ意味がないのです。
被害者が去り、加害者が残る現実
結局、双方でこれ以上続けるのは困難と判断して退職しました
パワハラを受けた被害者が職場を去り、加害者は残る。 この理不尽さに、多くの人が共感するのではないでしょうか。
「ここまでえげつないことになっていても、知らん顔する職場もあるみたいで本当恐怖しかないです」
Aさんは最後にこう締めくくりました。
「感情コントロールが出来ない人も問題だが、感情コントロールが出来なくなるぐらい追い詰める職場も問題」
特例子会社の退職理由として最も多いのは給料面ですが、人間関係の問題も深刻です。
特に、障害への理解が不足している上司の下で働くことは、想像以上のストレスになります。
≫ パワハラから逃れたい方は『キャリコン』で無料相談
まとめ:同じ苦しみを抱える人へ伝えたいこと
Aさんの体験談から、私たちが学ぶべきことは3つあります。
1. 特例子会社でもパワハラは起こる
障害者に配慮した職場でも、理解のない上司がいれば地獄になります。
2. パワハラの傷は簡単には癒えない
退職しても、心の傷は残り続けます。早めの対処が必要です。
3. 一人で抱え込まず相談することが大切
同僚や外部機関など、助けを求める勇気を持ってください。
特例子会社は本来、障害のある方が安心して働ける場所であるべきです。しかし、すべての特例子会社が理想的な環境とは限りません。
もし今、同じような苦しみを抱えているなら、我慢する必要はありません。
あなたの心と命を守ることが、何より大切です。
転職という選択肢もあります。より理解のある職場、あなたを大切にしてくれる会社は必ずあります。
≫ 転職を考えているなら『UZUZ』で相談してみる